ホテルの客室で増加しているのがトコジラミです。
客室清掃員になると、何か影響があるのでしょうか?
今回は、客室清掃員が関わるトコジラミ対策をご紹介します。

被害に遭うのは避けたいですよね!
トコジラミがいる可能性はゼロではない
トコジラミは南京虫(なんきんむし)とも呼ばれる、吸血昆虫です。
人の血が栄養源で、刺されると発疹ができます。
症状は人それぞれで、血が出るほどかきむしったり熱が出たりする場合があるのです。
アナフィラキシーショックが起こると、呼吸困難や血圧低下など命に関わってくる。
トコジラミは海外から持ち込まれた害虫で、繁殖力がとても高いという面も。
そのため、外国のお客様が利用するビジネスホテルでは注意しましょう。
ビジネスホテルで働いてるんですけど、全国的にトコジラミが増加してるんですよ。コロナ明けて海外渡航者が増えたから。とくに東南アジア圏からの旅行者が増えているのが原因だと思います。
海外旅行者が来るホテルだったらトコジラミいますよ。まともなホテルだったら発見次第すぐ家具捨てて消毒作業しますが発見されるまではいます。(一部引用)
私の職場でも、トコジラミの駆除を依頼したことがあります。
”ニュースで話題になっている”くらいのイメージだったので、ゾッとする出来事でした。
トコジラミホテルマップとは
被害の口コミなどを基に作られたのが、トコジラミホテルマップ(引用:BED BUGS MAP JAPAN)です。
トコジラミの発生状況・その対処や、ホテルからの発信が書かれています。
マップを見ると、ビジネスホテル以外でも被害があることが分かりますね。
ただ、被害にあった全てのホテルが載っている訳ではありません。

客室清掃員の求人を探す時は、参考程度にご覧ください!
客室清掃員がトコジラミ被害を防ぐには
トコジラミは明るい場所を嫌うので、昼間に仕事をする清掃員の被害は少ないです。
しかし、頻繁に客室に入ることと、空腹なら明るい場所でも出てくるため心配になりますよね。
では、被害を避けるためのチェックポイントをお伝えします。
トコジラミがどんな虫か見ておく
見るのは抵抗がありますが、トコジラミの形や色を知っておくのが大切です。
正式にはカメムシの仲間で、形もカメムシに似ています。
色は茶色で大きさは5㎜程度、独特のにおいを発し、酸っぱい・カビの臭いがするのです。
臭いは他の害虫(ゴキブリやハエ)を呼びよせるため、早期発見が重要になります。
ベッドメイキングでマットレスを確認
引用:アース製薬
ベッドは吸血場所として、トコジラミが繁殖しやすいです。
そのため、ベッドのシーツ類を剥いだらマットレスの隙間などを確認してみてください。
卵・脱皮した皮が見つかることがあります。
分かりやすいのは、血糞(けっぷん)というトコジラミの糞。
吸血すると血の糞をして、布に黒い点々が付きます。

トコジラミがいなくても、血糞があればほぼ確定でしょう!
部屋に入ったら電気をつける
ビジネスホテルのカーテンは遮光になっており、閉めると真っ暗になります。
暗いとトコジラミが活動するので、入室したらまず電気をつけましょう。
曇りだと部屋全体が暗っぽくなるし、遮光カーテンを閉める連泊のお客様もいる。
また、夏は省エネで遮光カーテンを閉めるホテルがあります。
温かい場所を好むトコジラミは、夏の被害がとても多いです。
ベッドや隙間を見て、トコジラミの痕跡がないか確認してください。
▼客室清掃員の暑さ対策はこちら。
ゴム手袋をつける
トコジラミ対策は長袖・長ズボンが理想ですが、暑さと汗がすごいことになるので難しいです。
肌の露出を控えるには、使い捨てのゴム手袋がおすすめ。
蒸れてにおいがでやすいため、違和感があれば交換しましょう。
予備をマイバッグに入れておくと、取り換えがスムーズになります。
▼客室清掃員の持ち物はこちら。
ビジネスホテルでトコジラミを見つけたら?
トコジラミは「かくれんぼが得意」と言われるほど、逃げ足が速いです。

それに小さいので、別の虫と勘違いする可能性だってあります!
勘違いしないためには、トコジラミがいる証拠と早い対応が◎。
粘着テープなどで捕まえる
トコジラミのような虫を見つけたら、ガムテープでそっと捕まえます。
潰すと、血や卵が飛び散るリスクがあるからです。
ガムテープを会社で用意してもらえるか、相談してみてくださいね。
できるなら持ち歩くのが一番ですが、作業を妨げる場合は掃除用ワゴンで保管を。
他にも、以下の方法で捕まえられます。
- 掃除機で吸い取る。
- ドライヤーを当てて駆除する。
トコジラミは高温に弱いですが、ドライヤーの風で飛んでしまっては大変です。
吹き出し口を離し、約5分間ドライヤーを当て弱らせたらビニール袋へ。
すぐにフロントに連絡する
トコジラミを捕まえたり血糞を見つけたりしたら、フロントへ連絡します。
部屋を売り止めにし、専門の駆除業者へ連絡するためです。
虫や部屋の状況を確認してもらい、トコジラミだったら即駆除作業に入ります。
ベッド・カーテン・カーペットなどは全て処分となり、長い間未販売のままです。

その後はプロに任せましょう!
従業員内で共有する
トコジラミが発見されたことを、社内で共有します。
被害の大きさによりますが、フロア全体が未販売になる可能性は低いです。
同フロアの客室清掃に入るので、共有はリスク管理として必須となります。
始めは業者の出入りが頻繁になるため、ペースを崩さないよう気を付けてくださいね。
樟脳の防虫スプレーを使う
駆除作業中、心配な人は防虫スプレーを服にかけておきましょう。
樟脳(しょうのう)はクスノキの香りで、トコジラミが嫌うにおいとして防虫効果があります。
樟脳に駆除効果はありませんので、「寄せ付けにくいもの」として使ってください。
樟脳のデメリットは、誤飲すると吐き気や頭痛、最悪の場合命に関わるということです。
小さなお子さんやペットがいる人は、十分ご注意ください。
まとめ:客室清掃員はトコジラミ被害を防ぐキーパーソン
多くの人が利用する以上、トコジラミの危険性は油断できません。
でも正しい対処法を知っていれば、そこまで不安にならなくても大丈夫ですよ。
もしもに備えて、トコジラミ対策のアンテナを張りましょう。