「できれば遭遇(そうぐう)したくない生き物ナンバーワン」といっても過言ではないのが、ゴキブリ。
外で見ただけでもゾワッとするのに、家の中に出たらたまったもんじゃありませんよね。
虫が苦手な一人暮らしの方は、外へ逃げたきり、恐怖で家の中に入れなくなる人もいます。
たとえ退治できたとしても、やり方を間違えると厄介なことになる場合も。
そんな嫌な場面を作らないよう、ゴキブリ対策の各ポイントをまとめましたので、詳しくご紹介します。
この記事を読んで分かること
・ゴキブリが出にくい部屋ってあるの?
・幼虫を見たら繁殖している?
ゴキブリの侵入経路
主な侵入経路は3つです。
- 人も出入りする、玄関やベランダ(窓)。
- 排水管や換気扇といった、キッチン周り。
- 段ボールに紛(まぎ)れている。
ゴキブリは体が薄く、たった2㎜のスキマがあれば入ってきてしまいます。
3つ目については、例えば、買い物した商品を段ボールで持って帰っていませんか?
もしかしたら、自分の手で運び入れているかもしれません。
ゴキブリが出やすい部屋
住宅選びの時点で、すでにリスクがある部屋があります。
部屋の間取りや、防犯面の他に、以下のこともチェックしましょう。
部屋が低い階にある
ゴキブリには羽が生えており、こちらに向かって飛んでくるイメージがありますが、実際は飛ぶのが苦手な虫です。
なぜなら、体の大きさの割に羽は小さいので、地面から空へ飛んだり、何分も飛び続けたりする能力がないからです。
飛ぶとすれば、高い位置から、低い位置へ移動するときに使われます。
つまり、低い所から高い所へ飛ぶことは、ほぼ無いです。
そのため、高層階になるほど、ゴキブリは出現しにくくなります。
ただ、配管やエレベーターなどの移動方法があるため、全く見ないという訳ではありません。
隣人のベランダが汚い
部屋を内見するとき、部屋の外(道路側など)からベランダも確認してみましょう。
もし、物や植木でゴチャゴチャしていたら、要注意です。
基本的に、植木はゴキブリを引き寄せます。
中には、ゴキブリが苦手なハーブ系を育てている人もいますが、近くで確認しないと分からないものもあります。
また、ベランダが汚いということは、室内も整頓されていない可能性があります。
そのような場所は、ゴキブリの格好のエサ場です。
エサ場が隣になってしまえば、迷いゴキブリも入りやすくなります。
迷いゴキブリとは?
迷いゴキブリとは、その場所に住んでおらず、エサ場を探して行動範囲を広げた、1匹~数匹のゴキブリのことです。
もしくは、卵から生まれた幼虫(赤ちゃん)も入ってきます。
迷いゴキブリかそうでないか、正確に判断する方法はありません。
ゴキブリの赤ちゃんを見たら?
ゴキブリの卵は、卵鞘(らんしょう)という小豆のような形の入れ物に、30匹くらいの卵が収納されています。
赤ちゃんを見たら、その近辺で産卵があったと思っていいでしょう。
成虫を見かけなくても、フンがあったら生息している可能性が高いです。
ゴキブリのフンは、1㎜ほどの小さな粒で黒い色をしています。
ただ、幼虫の行動範囲は広くないので、出現した場所に毒エサを置いてください。
自分の部屋のベランダもチェック
窓からの景色は見ても、ベランダの開け締めを省略する人もいらっしゃるでしょう。
そこもポイントのひとつで、前の借主が植木をやっていた形跡が、ベランダに残っていることがあります。
私の場合は、雨の流れる側溝に土が溜まっていたのですが、片付けたら得体の知れない卵がたくさん出てきました。
見逃しがちな場所なので、時間に余裕があればチェックしておきたいところです。
築年数が長い(建物が古い)
ゴキブリは、新居の方が出現しにくいというデータがあります。
理由は、築年数が古いほど建物の劣化(れっか)が目立ち、侵入経路が増えるからです。
通気性が悪くなったり、穴が空いたりして、ゴキブリの活動範囲が広がることで、遭遇(そうぐう)確率も上がります。
近くにゴミ捨て場・公園・川がある
「高温多湿でエサがある」という面で、住みやすい条件が揃(そろ)っている場所。
ゴキブリのみならず、蛾(ガ)やハエなどもやってくる可能性があり、以下のようなトラブルを招くので注意が必要です。
- 夜の電灯にコバエが集まってきて、死骸の片付けが大変。
- セミが何匹もベランダに落ちていることがある。
- 虫をエサにするコウモリなどのフン被害。
同じ条件になりやすいのが、1階に飲食店があるアパートもそうですね。
引っ越しの内見の時に、近所の様子も確認しておきましょう。
効果が十分に期待できないゴキブリ対策
ゴキブリホイホイは、捕まえられる商品として大ヒットしましたが、実は駆除には向いていません。
呼び寄せるだけという説もあります。
今は、その区域にゴキブリがいるかを確認するために使うのが、目的として合っています。
例を挙げると、害虫駆除業者が各場所に設置して、一番ゴキブリが出現するところをリサーチするときなどにも使われていますね。
また、燻煙剤(くんえんざい)も、根絶という意味ではもう一歩。
隅々まで煙が行きわたるイメージですが、細い隙間までは意外と広がりません。
しかも卵には効かないので、孵化後も考え、日をあけてもう一度しなければなりませんし、小さなお子様やペットがいるご家庭は、ちょっとやりづらいと思う方も。
ゴキブリ駆除に一番効果があるのは「毒エサ」
「ゴキブリを見なくなった」という声が一番多い対策が、毒エサです。
以下のようなメリットがあり、利用のしやすさも選ばれる理由のひとつ。
- ゴキブリが通りそうな場所に、置いたままでOK。
- 効き目が出るまで少し時間がかかり、その間にゴキブリが移動することで、やっつけたゴキブリを見なくて(片付けなくて)済む。
- なわばりに毒を持ち帰れば、仲間も(うまくいけば巣ごと)やっつけられる。
ゴキブリは、知能も学習能力も高い虫です。
危険な場所が分かったら、フェロモンを出して仲間に知らせるため、その場所には近づかなくなります。
これは、死骸があった場所でも同じ行動をとります。
さらに、手作りのホウ酸団子だと、効き目が出るまで時間差があることもポイント。
どこで毒エサを食べたのか特定しづらく、ゴキブリの判断が鈍くなります。
毒エサはどこに設置する?
基本的には、部屋の隅(すみ)を意識して置いた方が、効果的です。
- 食材が調達しやすい台所:シンク、ガス台、冷蔵庫の下。
- ジメジメした湿度が高い水回り:お風呂場、脱衣所、トイレ。
- スキマ:家具と家具(または家具と壁)の間、収納棚の中。
- 外と部屋を、直接繋ぐ場所:玄関、窓、換気扇。
市販の毒エサのパッケージにも、おすすめの場所が書かれています。
※誤飲(ごいん)を防ぐため、小さなお子様やペットが、絶対に触れない場所に置いてください。
毒エサを誤飲したらどうする?
誤飲すると、「急性薬物中毒」を起こす可能性があるので、速やかに対処しなければいけません。
水か牛乳を飲ませて、食べたものを吐かせ、かかりつけのお医者さんに連絡して指示を受けましょう。
摂取した量によっては、胃洗浄や下剤を利用する場合があります。
ゴキブリの間違った駆除方法
見た目だけでも怖いのですが、ゴキブリの体には、人に有害な菌が付着しているという厄介な点があります。
叩いてつぶしてしまうと菌が広がるので、絶対にやってはいけません!
殺虫剤などで動かなくなっても、袋に入れて密閉した状態で捨てましょう。
また、卵を持っている場合、習性として息絶える間際に産むことがあるため、素早く処理してくださいね。
殺虫剤以外の駆除方法
殺虫剤の高い効果は安心できますが、臭いが苦手な方や、小さなお子さんがいる家庭だと、使うのに抵抗がありませんか?
食事中だと余計に使いづらいですよね。
代用品として、以下のものが効きます(耐性を持つゴキブリもいます)。
消毒用エタノール(アルコール)
ゴキブリの呼吸器官をアルコールで塞(ふさ)いで、窒息させる方法です。
即効性はなく、しばらく動き回るので、動かなくなるまでかけ続けましょう。
アルコールは脱色(色を落とす)作用があるため、むやみに使うと家具などを傷めるのでご注意を!
それに、やっつけたと思っても、気絶しているだけかもしれません。
袋に入れた後、食器用洗剤をたっぷりかけておくことをおすすめします。
食器用洗剤
アルコールと作用は似ており、即効性はありません。
界面活性剤で窒息させます。
界面活性剤によって、ゴキブリの体内にある菌が放出される危険があるので、駆除後は速やかに袋に密閉して捨てましょう。
ゴキブリを寄せ付けない部屋にするには?
本気で対策したい方は、大型の除湿器を用意すると◎。
部屋と収納のドアを開け、除湿器のスイッチをオンにするだけ。
湿度を好むゴキブリは、乾燥した場所を避けやすく、これだけでもなかなかの効果を発揮します。
実用面で言えば、洗濯物も天気を気にしなくて良くなりますよ。
他のポイントはこちらです。
- 清潔なキッチン:水気を拭く、生ごみを片付ける。
- 押し入れの整理:不要な物は捨て、スペースを開けて空気の通り道を作る。
- 段ボールは即破棄:回収日に速やかに捨てる。
- ペットのエサ管理:寄ってこないよう密閉する。
プラス毒エサを設置すれば、鉄壁の完成。
すき間を目張りする方法もありますが、手間がかかるのと、劣化による貼り替えが大変です。
それよりは、除湿や毒エサを利用して、「ゴキブリが住みたくない環境」を作ってしまいましょう。
毒エサには期限があり、それが切れるとただのエサになるので逆効果。
必ず、設置した日と場所をメモしておきましょう。
ゴキブリ対策のまとめ
人に寄ってくるとも言われるゴキブリ、しっかりと対策をとれば怖い思いをしなくて済みます。
活発に動き回る季節の前に、準備を始めましょう。