ビジネスホテルでおねしょをされたら、すぐに対応しなければいけません。
次に宿泊する人もいるので、衛生面にも気を付けることがあります。
今回は、客室でおねしょをされた時の対処法をご紹介します。

適切な方法を、一緒に確認しましょう!
この記事がおすすめの人
・客室清掃員になって間もない。
・おねしょの客室を清掃したことがない。
ホテルのおねしょ対策は必要
ビジネスホテルの利便性により、仕事以外で使う人は多いです。
小さなお子さんを連れた宿泊は珍しくありません。
しかし、子供のおねしょより、大人のお客様で対応するケースが増えているのです。
病気を除き、大人だとおねしょを予測しにくいためだと思われます。
大人がおねしょをする理由
大人がおねしょをする理由は、ある程度定まってきます。
私が経験したのは、以下の理由でした。
- お酒の飲み過ぎ。
- 精神的なストレス。
- 夜尿症という病気。
- 人工膀胱(ストーマ)から漏れた。
最も多いのは、お酒の飲み過ぎによるものです。
アルコールには利尿作用があり、トイレの回数が増えます。

寝酒から引き起こされるようですね…!
夜尿症については、15歳以上の1%の割合で起こる病気です。
自然に治るものと言われていますが、膀胱や神経系の病気の可能性があり、時には注意が必要です。
おねしょの客室を清掃する方法
お客様が教えてくれていれば朝一清掃ですが、入室してから気が付く場合もあります。
入室後に発見したら、手をつけずにフロントへ連絡してください。
普通に清掃対応なのか、写真を残すのか、その後の判断は社員にお任せしましょう。
においがこもらないよう、窓を開けて換気するのを忘れずに。
ここでは、私の清掃方法をご説明します。
1.備品やユニットバス内の確認
汚れた手で備品を触っていないか、ユニットバスの壁や床に汚れが無いかを確認します。
汚れが付いた消耗品は処分し、ユニットバス内は徹底的に洗う。
タオルや寝間着なども衛生面を考え、クリーニングに出さず処分しました。

幸いにもユニットバスはお湯が使えるので、清掃しやすいです!
洗えるものは熱湯シャワーで予洗いして、洗剤・ハイター・ブラシを使い分けながら掃除します。
▼ユニットバスの清掃方法はこちら。
2.ベッドの清掃方法
一番手がかかるベッドは、最初に取り掛かるのがベストです。
なんとなくでも流れを知っておくと、ペースが速くなりますよ。
- マスクをつけてゴム手袋をはめ、シーツ・布団カバーなどを全て外す。
- シーツはゴミ袋に捨てる。
- マットレスなどに水分が残っていれば、タオルを押し当てて取り除く。
- 布団・布団カバー・ベッドパッドを、大きな袋に分けて入れる(クリーニングへ)。
- マットレスのおねしょ部分に、重曹の粉をまいて一晩放置。
- 翌日、掃除機をゆっくり動かしながら重曹を吸い取る。
- 新しい布団・布団カバー・ベッドパッドを部屋に持ち込み、ベッドメイキングをする。
一晩置くため、部屋は売り止めにします。
また、におい移り予防として、新しい布団類は翌日に入れ直しました。
▼早いベッドメイキング方法はこちら。
連泊の場合は吸水シートを使う

連泊の予約が入っている場合は、おねしょ予防に吸水シートを使います。
ペットシーツなら、使い捨てで扱いやすいです。
- ベッドパッドの上に、はさみで切って広げた大きなゴミ袋(90L以上)を敷く。
- 汚れてもいいバスタオルを、その上に敷く。
- ペットシーツをその上に敷き詰める。
- いつも通りのベッドメイキングをする。
布団カバーは、暗い色があれば使ってくださいね。
もしまたおねしょされても、汚れが目立ちにくいです。
3.業務用消臭器で脱臭と除菌
しっかり脱臭&除菌するために、業務用の消臭器を使います。
消臭器は清掃が完了しないと使えないので、終わり次第フロントへ連絡しましょう。

ちなみに、消臭中は入室できません!
密閉した状態を30分確保する必要があり、消臭中はドアを開けないのが鉄則です。
消臭器の気体を吸うと、目や喉を刺激してしまいます。
やり残しなどを思い出したら、フロントに伝言してくださいね。
ホテルの具体的なおねしょ対策とは?
おねしょで部屋を汚さない・対応を速やかにするには、具体的な対策が◎。
ミーティングがあれば提案、もしくは社員に相談するのが理想です。
1.おねしょ用の清掃マニュアルを作る
おねしょはたまにしか起きないため、清掃経験者が少ない傾向になります。
そのため、おねしょ対策のマニュアルを作り、共有スペースに置くといいですよ。
以下がその例になります。
- 持病が分かれば共有:人工肛門(ストーマ)や夜尿症。
- 直接お客様に相談:おむつ着用をご検討いただく。
- 宿泊前に了承をいただく:ホテル側の対処をお伝えする。
- 今後の宿泊をお断りする。
お断りする時は、「満室なので…」など別の理由でフォローするのがほとんどでしょう。
持病については、お客様がきちんと教えてくれた時だけ共有とし、何気ない会話の情報を勝手に言うのはNGです。
2.防水シーツの常備
防水シーツにはサイズがあり、腰回りタイプと全面タイプと選べます。
過去の事例を考えると腰回りでも足りますが、全面カバーできる方が安心です。
とにかく、マットレスまで染み込むのを防ぐのが大切。
全面なら、どこにされても防水シーツごと交換すれば問題ありません。

おねしょは滅多にないので、2~3枚の在庫で足りるでしょう!
3.おむつの相談は最終手段
過去の事例を挙げると、1週間以上連泊のお客様で毎日おねしょをする人がいました。
困り果てた末フロントからご相談したようですが、おむつははきたくなかったようです。
その後、寝具を汚した時はクリーニング代を請求する、という形で落ち着きました。
清潔を保つハードルが上がり、清掃員の負担が増えた出来事でしたね。
まとめ:客室清掃でのおねしょはテキパキと対応を
ビジネスホテルでのおねしょは起こりうることであり、いつ清掃にあたるか予測できません。

時間は限られているので、テキパキと作業を進めるのが最善です!
おねしょの対処法が身に付けば、清掃レベルが一気に上がりますよ。