客室清掃は、お客様が来るまでに終わらせなければいけません。
ノルマが多い日だと、急ぎ足で大変になってしまいます。
慌てないよう、効率を考えながら動いてみましょう。
今回は客室清掃の効率について、私がやっている作業の順番をまとめました。

ノルマが多くても、焦らず走らず対応してくださいね!
この記事がおすすめの人
・清掃する順番で悩みやすい。
・清掃に時間がかかってしまう。
客室清掃はフロアごとにまとめて行う

ご紹介するのは、一部屋ずつ終わらせる方法ではありません。
客室清掃員を経験した人はお分かりだと思いますが、フロアごとの流れ作業で考えます。
その要約が、以下の通りです。
- 退室済みが多いフロアから始める。
- ゴミ捨て・アメニティ補充・備品を整えながら、リネン類の回収。
- 回収したリネン類を、専用の袋に分け入れる。
- 新しいリネン類を持ち、浴室清掃をしていく。
- 折り返し地点で、ベッドメイキングをする。
- また折り返し、掃除機掛けとユニットバスの拭き上げ。
簡単にまとめると、このような順番になります。

歩数と手間が削減できる手順です!
細かく言えば、浴室を乾燥させる時間を長くとるために、5の作業後ゴミ捨てを挟んでも良いですね。
さて、ご紹介した手順だと分からない部分が多いので、詳しく解説していきます。
未経験や研修中の人は、以下からご一読いただくのがおすすめです。
客室清掃を効率良く進める順番

ここからは、私が行う清掃ルーティンをご説明します。
慣れてきたら、自分流にカスタマイズしてOKです。
仕事を繰り返すうちに、自然と覚えられる内容になっています。
スタートは退室部屋が多いフロアから

エコ清掃・新規・連泊含め、退室部屋が多いフロアから始めます。
「エコ部屋だけ全て退出済み」、でも構いません。
もしくは、「新規・連泊がアウト済み」から攻めてもアリです。
階またぎがない(1フロアのみ)なら、できる部屋から始める。
ポイントは、清掃していない部屋を中途半端に残さないこと。
後回しにすると、清掃し忘れの原因になります。
フル清掃優先なら区切りでエコ清掃へ

「担当フロアのエコ部屋が1つ空いていない、でも新規と連泊は退室済み」という場合。
フル清掃を優先して、作業に入ります。
インorアウトの連絡がフロントから来たら、キリのいいところでエコ清掃に切り替えましょう。
この後ご説明しますが、各部屋の”ユニットバス清掃後”が分かりやすいです。

中途半端なまま移ると、どこまでやったか分からなくなります!
ゴミ捨て・アメニティ補充・備品調整・リネン類回収

エコ部屋をやって、それが終わったところから。
新規と連泊は、シーツをはがしたりアメニティの補充をしたりと作業が多いです。
備品類を整えるところから始めます。
- ゴミ袋を持ち、ユニットバスのゴミ回収やアメニティ補充をする。
- タオル類と、部屋着(使用済み)を回収。
- 奥に進みながら室内の備品を整え、不足のアメニティを覚える。
- ゴミ箱の中身を、分別して捨てる。
- ゴミ袋を持ってワゴンへ戻り、ゴミ袋は廊下に置く。
- 不足アメニティをワゴンから持ち出し、各場所へ補充していく。
- ベッドの掛布団をたたみ、シーツと枕カバーをはがす。
部屋着を補充する部屋を覚えるのは大変なので、クローゼットの扉を開けるなど目印を作ると◎。
これで、ゴミ捨て・アメニティ補充・備品調整・使用済みリネンの回収が終わりました。
1の工程は、別記事に詳しく書かれています。
▼ユニットバス清掃についてはこちら。
回収したリネン類を専用の袋へ入れる

ワゴンに使用済みリネン類が大量にあるので、リネン袋へ仕分けに戻ります。
- A:シーツ。
- B:部屋着。
- C:枕カバー。
- D:清掃で使ったウエス。
- E:フェイスタオル、バスタオル、バスマット。
種類としてはこのくらいですが、リネン業者ごとに違いがあります。
入れ間違いに気を付けてくださいね。
部屋着をリネン袋へ入れる時に、枚数を数えるのをお忘れなく。
シーツはかさばるので廊下(ドア前)に置くか、リネン袋を持ち歩くか、やりやすい方を選びましょう。
新しいリネン類を持ちながら浴室清掃へ

ワゴン上のリネン類を袋に入れたら、新しいリネン類を運びます。
シーツ・枕カバー・タオル類・部屋着をワゴンに積み、掃除道具がそろったバケツを持てばOK。
▼客室清掃の持ち物はこちら。
部屋をまわるので、そのタイミングでユニットバス清掃をやると早いです。
- 必要なリネン類を1部屋ごとにそろえ、ワゴンに積み重ねていく。
- 部屋着はすぐ取れるよう、別の位置に積む。
- ゆっくり進み、端の部屋に着いたら1セットのリネン類をベッドの上に置く。
- 掃除バケツを持ち、ユニットバス清掃を行う。
- 終わったら次の部屋に移動し、3と4の工程を繰り返す。
1の工程の内訳は、シーツ2枚・枕カバー・バスマット・フェイスタオル・バスタオル・部屋着などになります。
この時、掃除用のウエスも必要です。
部屋数×1枚(ユニットバス拭き上げ用)と、予備で1~2枚あれば足りますよ。
ウエスは、ワゴンの持ち手に引っかけると取りやすいです。
大量のリネン類がなだれるリスクあり。手で軽く押さえてゆっくり進もう。
ベッドメイキングをする

順番にユニットバスを洗い、シーツ類を置き終わったところで、今度は折り返しです。
さっき清掃してきた部屋の、ベッドメイキングをします。
ベッドの上に置いたリネン類を使って、順に仕上げましょう。
こうするとリネン庫に戻る手間が省け、移動時間が短縮できます。

この辺りで、集中力が切れてくるかもしれません!
ベッドメイキングは力を使うため、水分補給・おやつ・トイレ休憩をとってくださいね。
掃除機掛けとユニットバスの拭き上げ

ベッドメイキングを終えたら、リネン庫から掃除機を持ってきて床をキレイにします。
この手順も、端の部屋から順番に。
効率を上げるなら、フロアの担当部屋を一気に掃除機がけするのがおすすめ。
終わったら、折り返しでユニットバスの拭き上げをします。
清掃終了後、指示書にレ点などで印付けてください。
仕上げ後は自分でインスペをする。清掃完了のレ点を指示書にメモ(清掃忘れ防止)。
【コツ】自分で決めた順番が最速

最初は、教えてもらったことをこなすだけでOK。
ほぼ同じ作業の繰り返しなので、次第に体が覚えてきます。
最終的に、自分なりの順番を作るのが理想です。
仕事に慣れてきたら、順番を変えたり移動時間を考えたり、次のステップに進みましょう。
指示書を見て清掃計画を立てる

出勤すると、フロントから指示書が配られます。
大体は、2~3フロア任されることが多いですね。
1フロアだったら移動の手間が省けるので、効率化に繋がります。
清掃の詳細は、以下の通りです。
- お客様がアウトした「新規」。
- 数日お客様が滞在する「連泊」。
- ゴミ回収やタオル交換などの簡易清掃(エコ)。
これらが各階にふられており、どのように立ち回るか考えます。
未販売部屋の入れ込み・ルームチェンジ

お客様からのご要望やホテル側の都合により、未販売部屋に指示が入ることがあります。
未販売部屋とは、名の通り「まだ売れていない部屋」です。
清掃済みなので、ほぼ時間はとられません。
主な作業は、枕やタオルの追加入れ込み・ルームチェンジがほとんどでしょう。
最初に済ませるか、作業の合間にするか、うまく目安を立てると◎。
ノルマが少ない日はスポット清掃

こなす部屋数が少ない日は、スポット清掃が指示されます。
早くお戻りになる部屋を除き、15時までに仕事を終わらせれば大丈夫だからです。
普段手が回らない部分や、汚れが溜まりづらい所の掃除を行います。
スポット清掃の部屋は時間がかかるので、作業動線を考える必要があります。
▼スポット清掃についてはこちら。
エコ清掃を優先

エコ清掃は、ベッドメイキングやユニットバス清掃をしません。
会社ごとにマニュアルは異なりますが、数分で終わります。
なので、後回しにせず先に済ませるのがコツ。
私の経験上ですが、エコ清掃のお客様は15時前に戻りやすいです。

フロントから急に連絡が来ても、お客様をお通しできますよ♪
アウト部屋が多いフロアからでも◎

担当が2フロアある場合、どちらから清掃するか悩みますよね。
その時は、空室(退室済み)が多い方を選びましょう。
清掃~仕上げまで一部屋ずつ終わらせるのではなく、部屋をまたいだ全体で進めていくからです。
- ×:ひとつの部屋の、ユニットバス清掃→ベッドメイキング→掃除機など通して行う。
- ○:フロア全体のユニットバス清掃を終わらせてから、次の作業に移る。
このやり方がメジャーで、清掃完了はどの部屋も同じ時間帯になります。
アウトしていない部屋でも、早いうちにフロントが確認してくれるので大丈夫ですよ。
まとめ:客室清掃の効率を良くするのは経験と工夫

客室清掃員は、効率良く仕事を繋げる人がほとんどです。
アドバイスをもらいながら経験を重ねると、応用できるようになります。
自分流を見つけた時、やりがいをより感じられるでしょう。