客室清掃員は、お客様がリラックスできる部屋を提供します。
「ここで良かった!」「また利用したい!」と思ってもらえるのは、細かな清掃がカギです。

その点に配慮すると、部屋の質も印象も向上できますよ!
つい時間を気にしてしまいますが、なるべくお客様目線で確認してみましょう。
今回は見逃しやすい汚れについて、客室清掃員が気を付けるポイントをご紹介します。
この記事がおすすめの人
・キレイな部屋を提供したい
・客室清掃のポイントを知りたい
手抜きはバレるのできちんと落とそう

担当清掃が終わると、別の清掃員が部屋をチェックする”インスペ”があります。
清掃した部屋を見返してもらい、お客様まで影響するのを防ぐためです。
インスペ終了後、清掃の不備・し忘れ等があれば教えてもらいます。
手抜きをした場合、ここでバレてしまいます。
また、「ミスまでは行かないけど、全体的に雑な仕上げ」をした部屋は、分かりやすいです…。
修正が多くなる程、インスペの清掃員に負担がかかるため、キチンと仕上げましょう。
汚れのクレームをもらうことも

手を抜かないようにしたり、インスペで見直したりしても、お客様からご意見をいただくことはあります。
クレームで、特に多いのが汚れ。
客室清掃員として、汚れは最も意識しなければいけない所です。
しかし、ノルマやチェックイン時間に追われ、慣れないうちは難しいこともあるでしょう。

そんな見逃しやすい汚れを、少しずつ習慣化へ繋げるのがポイントです!
新人のうちはノルマが少ないため、丁寧さを優先しやすいです。
まずは、通常清掃をキレイに仕上げることから始めてみてくださいね。
▼客室清掃の仕事内容はこちら。
客室清掃の見逃しやすい汚れ

仕事に慣れてくると、いかに早く仕上げるかを重視する人がいます。
初心を忘れず、マニュアル通りに進めることが大切です。
ここでは、ホテルごとのルールが前提として、見逃しやすい汚れをご紹介します。
ユニットバスの排水溝

浴室の排水溝は汚れやすいため、毎日清掃になっているところが多いです。
場所は、蓋(ヘアキャッチャー)と封水筒(ふうすいとう)です。
いつも洗っていれば、汚れは溜まらないので簡単に済ませられますよ。
- 上から、お風呂用洗剤をスプレーする。
- 蓋を外し、それをスポンジで洗う。
- 封水筒はまだ外さず、内側の穴にスポンジを入れて、回すように洗う。
- 封水筒を外し、その外側をスポンジで洗う。
- 封水筒がはまっていた排水溝に、スポンジを入れてゴシゴシ洗う。
- 洗い終わったら封水筒と蓋を戻し、シャワーで洗い流して完了。
手順が多く見えますが、やってみるとあっという間です。
封水筒はヌメリが目立ちやすいので、気を付けましょう。
清掃し忘れると、不快なにおいが上がってくるようになります。
歯磨き粉の飛び散り

水回りは汚れやすい場所。
歯磨き粉もそのひとつで、窓・壁・ハンドソープの容器に飛び散っていることがあります。
よく洗い流さないまま棚に置いたり、アメニティが入っているトレーに置く人もいます。

たまに、歯磨き粉の塊が床に落ちていることも…。
これらは全てキレイに掃除して、アメニティ類に歯磨き粉がついたら交換した方がいいでしょう。
もしお客様が見たら、清掃が行き届いていないのは明らかですし、衛生的に嫌ですよね。
似た意味で、シャンプー類の液だれも拭き取ってください。
時間が経つと、垂れて洗面台を汚す可能性があります。
便器のふち裏とウォシュレット

トイレのふち裏とウォシュレットは見えませんが、においを防ぐために掃除は必要です。
放っておくと、汚れがこびりついて取れにくくなります。
ユニットバスなら、シャワーでトイレを丸ごと洗い流せるメリットがあります。
- 熱湯のシャワーを、トイレ全体にかけて予洗いする。
- トイレ用洗剤をかけ、予洗いしたところをブラシでこする。
- 洗い終わったら、熱湯のシャワーで泡をしっかり流す。
- 洗い残しがないか確認しながら、ウエスで拭き上げて完了。
本来は洗面台と浴槽も一緒に洗う場所なので、ここではトイレだけのやり方としてお伝えしています。
最初の熱湯で軽い汚れは洗い流せますが、ゴム手袋ごしでも熱さを感じるので、火傷にご注意ください。
こびりついた汚れは、熱湯のシャワーをかけながらブラシでこすって落としましょう。
▼客室の水回り清掃はこちら。
壁・天井のホコリやクモの巣

お客様の出入りやベッドメイキングにより、舞ったホコリは壁や天井に溜まります。
清潔感がなくなり、清掃した部屋に落ちることもあるため、定期的な清掃をしましょう。
やり方は簡単で、柄の長い壁用モップで拭けばOK。
クモの巣も同じです。
ベッドメイキング前に行い、落ちたホコリは掃除機でキレイにしてくださいね。
壁に掛けられた絵は、上の縁をハタキで軽く掃います。
使い勝手が良いのは、以下のような伸縮性で柄先が使い捨てのタイプ。
これは会社に用意してもらい、各フロアのリネン庫に置けば手軽に清掃ができますよ。
リネン類の汚れ

クリーニングされたリネン類でも、汚れているものがあります。
- 引きずったような跡。
- シミ汚れが落ちていない。
- 髪の毛やホコリがついている。
汚れに気が付いたら、別のものに取り換えます。
シーツは入念に確認を…ベッドメイキングが終わるころ気が付くと、組み直しになってしまいます。
クリーニングで落ちなそうな汚れは、普段回収してもらうリネン袋には入れず、「汚れもの」専用の場所に入れてください。

汚れたリネンが帰ってくるかもしれず、交換する手間を防ぐのが◎
特にベッドは、整えられたシーツや掛布団をはがす訳にはいかず、内側の汚れに気が付きにくいです。
「布団をめくったらシーツが汚れていた」「掛布団の内側にシミがある」など、クレームの一因に気を付けましょう。
ベッドメイキング後のホコリ

ベッドメイキングはホコリが舞うので、客室の窓を開けて(虫が入るため冬のみ)清掃します。
ただ、十分な換気をしても、ベッドのヘッドボートやサイドテーブルに残ってしまうんですね。
そのため、ウエス(ハンディモップ)で最後に拭き上げます。
他にも、荷物置き(バゲージラック)・空気清浄機・イス・湯沸かしポットなど、拭き取りが必要です。
ポイントは、ベッドメイクが終わったら窓を閉めること。
外の風で、またホコリが舞わないようにしてくださいね。
▼ベッドメイクを早く仕上げるコツはこちら。
シーリングライトの虫

虫が活発な時期は、シーリングライトに虫が集まります。
お客様がベッドに横になると、黒い点々が見えるため悪い印象を抱かれやすいです。
客室のイスは不安定なため、脚立を使いましょう。
背が高い方は、シーツをはがしたベッド(ベッドメイク前)に乗れば届きます。
- ライトを点灯させ、虫がいないか目視する。
- 虫がいたら、脚立に乗ってカバーを外し、取り除く。
- 取り除いた虫を掃除機で吸い、カバーを付け直して完了。
外したカバーに掃除機を直で使うと、カバーと擦れて傷が付く可能性があります。
カバーを逆さまにして優しく振り、ウエスも使いながら床に落とすのがおすすめ。

カバーは壊れやすいので、力加減にご注意を…!
テーブル上の汚れ

眠る前に過ごしたり、飲食したり、喫煙部屋は煙草を吸ったりして、汚れやすいのがテーブルです。
ウエスで拭き上げたら、少し離れて別の角度から見てみましょう。
うっすら汚れが残っていることがあります。
- 汗や皮脂。
- 食べこぼし。
- 置いた飲料が結露した丸い跡。
ほとんどの汚れは、アルコールをスプレーして、ウエスでこすれば落とせます。
たまに、食べ物の汁が固って取りづらいケースも。
その時は、ヘラのようなもので優しくこすり、最後にアルコールで拭き上げてください。
▼客室が汚い時の掃除方法はこちら。
スイッチ付近の指紋
引用:楽天市場
ドア横やヘッドボードのスイッチは、指紋が目立つことがあります。
特にヘッドボードの方は、ステンレスプレートが採用されていることが多いです。
ステンレス製だと時間が経った指紋は落としづらく、普通のウエスでこすっても落ちません。
そのため、マイクロファイバーのクロスが向いています。
マイクロファイバーのクロスにアルコールを含ませ、こすり落としてください。
指紋が落ちると、清潔感が格段に上がります。
まとめ:見逃しやすい汚れを落とせば仕上げの質がUP!

ビジネスホテルの客室清掃員は、1人で清掃するので仕上げに差がでます。
早いけど雑より、”丁寧に清潔に”を意識しましょう。
毎日コツコツやることで、見逃しやすい汚れも落とすのが簡単です。

慣れないうちは大変ですが、スムーズにこなせるようになりますよ!