客室清掃に慣れてくると、振り分けられる部屋数も増えてきます。
そうすると、お客様のチェックインにギリギリ、急いでも時短できないと悩んだことはありませんか?
今回は客室清掃が早い人について、コツを交えながら解説します。

早い清掃員がやっているコツを知り、うまく活用しましょう!
この記事がおすすめの人
・1室にかかる時間を短縮したい。
・少ないノルマでも疲れ切ってしまう。
1室にかかる清掃時間は?
1室あたりの清掃時間は、平均だと25分前後です。
連泊だとお客様の持ち物が置かれているため、もう少しかかる時もあります。
ホテルの稼働状況によりますが、大体10~13部屋を担当。
チェックアウト~チェックインの間に仕上げなければいけません。
意外に短いと感じますが、コツに慣れればできるのでご安心くださいね。
雑にするのではなく手間を省く
客室清掃は、早いと10分で終わるなんて人も。
しかし、仕上げが汚かったり、補充が十分でなかったり…質が低くなりやすいです。
ある程度の早さは必要ですが、丁寧さ・清潔感を重視しましょう。
雑な仕上げは、次の清掃担当の負担が増えてしまう。
汚れが蓄積するだけでなく、クレームに繋がりやすいデメリットもあるのです。
つまり、客室清掃を早くするには、「余分な手間を省くこと」がポイントになります。
▼客室清掃の手抜きポイントはこちら。
客室清掃を早く仕上げるコツ
客室清掃の手間を含め、効率を上げる方法をご紹介します。
ポイントを押さえて、無理せずスピードアップを目指しましょう。
1.使う物の在庫を確認
出勤したら、使用する道具を確認します。
仕事を始めてから不足に気がつくと、動きの流れが乱れやすくなるからです。
- 掃除用の洗剤類。
- アメニティや消耗品。
- リネン庫のシーツやタオル類。
前日(または仕事後)に確認でもOKで、やりやすいタイミングで構いません。
アメニティやシーツ類については、各フロアのリネン庫にあるため、作業直前で間に合いますよ。
2.できるだけ行き来を少なく
歩数や移動距離が少なければ、時短になります。
例えば、部屋に入ったらリネン類の回収→ゴミ捨て→備品を整頓しながら、補充するアメニティをチェックという流れ。
これは、足りないものを頭に入れつつ、回収&位置を正すやり方です。
そして、最後に不足分をまとめて取りに行けば、往復が少なくできます。
- ティッシュ。
- サニタリーバッグ。
- ランドリーバッグ。
- 使い捨てスリッパ。
- トイレットペーパー。
- お茶や紅茶のパック。
- ユニットバスのアメニティ。
シャンプー類の補充は、ユニットバスの清掃時にやればOK。
補充が多すぎて覚えきれないなら、エプロンのポケットにアメニティを入れるといいですよ。

手元にあれば、その場で補充可能です!
リネン類の予備を持つ
クリーニング済みのリネン類はキレイですが、中には汚れが付いていることも。
汚れ以外に、破れやほつれも交換になります。
少しでも時間を短縮したいなら、リネン類の予備をワゴンに乗せておきましょう。
リネン庫から持ち出す時に、汚れがないかチェックする。
特にシーツは、広げてみないと分からないのでリネン庫で気が付くのは困難です。
ベッドメイキングの最終段階で汚れがあった場合、やり直しになるのでご注意ください。
3.新規部屋のドアだけ先に開ける
カギを開ける作業は、キーを取り出す→フロアのマスターキーを選ぶ→鍵を開ける、と地味にストレスで調子を狂わせます。
また、忙しいと確認不足を招きやすく、勢いで担当ではない部屋に入る危険だってありますよね。
そうならないために、新規部屋のドアを作業前に全て開けると◎。
順にドアを開けるだけなので、後から行うゴミ回収や備品の確認に集中しやすいメリットも。

連泊はドアを閉めるルールがありますが、新規なら開けたまま離れてOKです!
4.目についたものから確実に
散らかった部屋になると、どこから手を付けていいか迷ってしまいます。
動きが鈍くなりやすいため、目についたものから確実に片付けていきましょう。
悩む前に”やってみる”。失敗も経験になるので、結果早くなる。
研修期間から間もないうちなど、慣れないうちはゆっくりで構いません。
良くないのは、一度手に取ってから別のものが気になって、最初に持ったものを手放してしまうこと。
持っては離し、持っては離しを繰り返すと、ずっと散らかったままです。
▼客室清掃の早い人がやらないことはこちら。
5.手を早く動かす
何度も同じ作業を繰り返していると、自然と手が動くようになります。
それを、徐々に早くしていくだけです。

テレビで見る「早業系」に近いもので、慣れと経験が生むスキルになります!
私はこうしてから、急ぎ足になったり息切れしたりしなくても、早く仕上げられています。
呼吸は比較的安定しているので、体力の消耗も少ないですよ。
ただ、率直に作業スピードが上がるため、体の使い方を間違えると痛めます。
首・肩・腰・膝と、負担が偏らずしなやかに動ける体作りがベースです。
▼客室清掃員向きのストレッチはこちら。
両手を使う
利き手を意識せず、どちらの手でも作業ができると早くなります。
例えば、部屋のホコリや汚れを拭き上げる時、右手にウエス・左手にハンディモップを持つという感じです。
小さな事かもしれませんが、いちいち持ち替えることがないのでペースが乱れません。
左右を気にせず最小限の動きで済み、作業時間を縮められるのです。
6.シーツはかさばるのでリネン袋を持ち歩く
回収したリネン類は、一旦ワゴンに重ね置きしていきます。
しかし、部屋数が多いとワゴンに乗り切らなくなってしまう…。
そのため、一番場所をとるシーツだけ、専用のリネン袋を持ち歩くという方法があります。
リネン袋とワゴン、二カ所収納があることで、積み重ねたゆえの雪崩も起きにいです。
しかし、リネン袋もいっぱいになるため、持ち運びが大変と感じる人もいます。
その場合、シーツ類だけドア前に置いておき、後でまとめて回収していくやり方もあります。
廊下に置いたシーツは、通り道を狭くするので早めに回収。
7.水回りは熱湯で洗って自然乾燥
水回りで特に気をつけるのは、水滴を残さないこと。
ビジネスホテルはユニットバスが定番で、掃除しやすいので優先しましょう。
熱湯を使えば汚れ落ちもいいですし、早く乾きます。

厚手のゴム手袋をしていれば、熱湯でも大丈夫ですよ!
洗い終わったら、ウエスで水気を簡単に拭き取り、換気扇を「強」にして次に移ります。
シャワーカーテンはしっかり広げないと乾きませんが、大きい水滴以外は乾きます。
自然乾燥させた後、残った水滴を拭き上げればOK。
▼水回りの掃除方法はこちら。
ユニットバスにいると時間が確認できないため、腕時計を付けている人もいます。
汚れやすいので、防水仕様&目立たない色が◎。
コップ類は水につけておく
客室のコップは、落ちにくい汚れがあります。
底に残った乾燥汚れだとなおさらです。
ほとんどは熱湯で落ちますが、こする手間は省きたいところ。
目立った汚れがなくても、コップに水を入れておいてください。
茶渋はスポンジで落ちないので、ハイターを数プッシュかけておきます。
そのまま隅に置いておき、ユニットバスを洗い終わる頃には消えているでしょう。
8.慣れたら時計を気にしない手も
繰り返すうちにやり方が定着し、作業ごとの終了時間も定時化します。
ここまでくれば、あえて時間は気にせず動く方がおすすめ。

時間が目に入ると、焦りの原因になりますから…!
とはいえ、ベテランでも時計を付けている人はいます。
腕時計の管理が面倒・時間に気を取られるなら、外してみてくださいね。
9.早く仕上げられた日を振り返る
いつもより早く仕事を終えた日は、その理由を考えてみましょう。
ルーティーンが入れ替わっていたり、作業で工夫したことがあったり…キッカケがあったはずです。
ちなみに、部屋をキレイに使ったお客様が多いと、修正が少ないので仕上げも早くなる傾向です。
気を付けたいのは、走る・急ぐことが日常化すること。
ミスを招きやすく、ケガの原因になります。
▼無理をしてヘルニアになった話はこちらから。
時間に余裕ができそうでもペース維持
ふと時計を見た時、思った時間より早かったらどうしますか?
「体力を残したいし、ペース調整しようかな」と過ることもあるでしょう。
しかし、そこでペースを遅めにするのはNG。
その時は余裕ができそうでも、少しずつ体力が消耗し、きっとペースは落ちていきます。
▼客室清掃の仕事が早くできない理由はこちら。
せっかくやる気スイッチが入っているのに、リセットするのはもったいないです。
ひとつの作業にそこまで時間差はなくとも、全体になれば大きいロスなのでご注意を…。
10.体力を消耗する作業は繋げない
清掃開始~終了まで、部屋をひとつずつ仕上げる人は少ないです。
部屋ごとではなく、フロアごとかけもちした方が効率がいいからです。
しかし、ベッドメイキングの作業だけで部屋を移っていくと、体力消耗は激しくなります。
負担の大きい作業には、負担の少ない作業を組み合わせるのがコツ。
例を挙げると、以下の組み合わせです。
- アメニティの補充後、シーツ類を回収。
- シーツ類の回収後、ユニットバスの清掃。
- ベッドメイキング後、部屋全体のほこり取りや消毒。
組み合わせは自由で、やっていくうちに自分に合う方法が分かってきます。

逆に動きづらくならないよう、いろいろ試してみてください!
疲労による痛みはその場で伸ばす
ぶつけたりひねったりしたわけでなく首・肩・腰が痛む時は、疲れが蓄積しているかもしれません。
痛みを感じながら作業するのはストレスですし、悪化する可能性があります。
疲労が原因なら、筋肉や筋を伸ばすだけでかなり改善されますよ。
▼ヘルニア経験者が仕事中気を付けていることはこちら。
伸ばす時間がないと思わず、健康に働くために必要なのです。
11.「あと何部屋…」とカウントしない
残りの部屋数を考えてしまうと、「まだこんなにある…」と気が滅入ることがあります。
考えないようにして、淡々と作業をこなしましょう。
また、休憩時間がなく、体力が消耗しやすいのも落ち込む原因に。
作業が一区切りついたら、水分補給をしたりお菓子を食べたりすると、マインドが安定します。
▼客室清掃員の持ち物はこちら。
トイレは一息つく場所として、我慢せず利用してくださいね。
12.心の中で好きな歌や音楽を流す
作業が波に乗らない・前日の疲れがとれていない、などで気分が乗らないときがあります。
そんなときに効果的なのが、歌や曲です。
面倒だ・疲れたと考える前に、好きな音楽を心の中で流しましょう。
それには、以下のような嬉しい効果があるのです。
- ストレス発散。
- やる気が出る。
- 作業効率アップ。
- 精神のリラックス。
- 自律神経を整える。
好きな音楽により脳を錯覚させ、本当にその気分にさせてくれるもの。
例えば、落ち着く音楽はリラクゼーションで、アップテンポな音楽はやる気アップに繋がりやすいです。
▼やる気を出す方法はこちらから。
ただ、調子が悪い日が続くのは問題です。
音楽に頼るだけでなく、思い当たる生活習慣を改め、十分な休息をとるのがいいですね。
13.効率が悪くても気になることを済ませる
「後回しにするか悩む」「聞いた方がいいかな?」などが、頭にあると集中できません。
作業スピードが乗りにくくなります。
そうならないために、気になることは先に済ませましょう。
少し回り道をしても、結果的に良い効果を生むことがあります。
14.適度な水分補給
適度な水分は、パフォーマンスを上げると言われています。
考えることと体を動かすこと、両方に良い影響を与えるのです。
つまり、飲む時間がない・トイレに行きたくなるからあまり飲まないという人は、逆効果という訳。
運動に近い仕事なので、20分に1回程度が丁度いいでしょう。
喉が渇いた時に飲むのは、タイミングが遅い。
夏は暑いため、ミネラルやビタミンが補給できるドリンクがおすすめですよ。
▼客室清掃員の暑さ対策はこちら。
15.ベテランさんに相談
ホテルごとにルール・やり方があり、先輩方のアドバイスは結果に出やすいです。
もし相談するなら、キレイな仕上げをしている人がおすすめ。
仕上がりの差は、インスペで見られます。
▼客室清掃のインスペについてはこちら。
お客様の満足度やクレームの可能性含め、丁寧で早い人に聞いてコツを学びましょう。
まとめ:失敗と成功によって早い人になろう!
客室清掃を繰り返していくと、自分のペースやこだわりが分かってきます。
良い部分を活かし、ベストな行程を探していくイメージです。
基本は「早さより丁寧さ」なので、汚れの放置は避けてくださいね。

雑にせず、確実にコツを身につけましょう♪