客室清掃を長年やっていると、様々なお客様を見てきます。
連泊でも新規でも、どのように使われているかで清掃方法も変わってくるのです。
その中で、なかなかないけど本当に起きた掃除話をご紹介します。
どれだけ経験を積んでも、初めてのケースはやってきます!
この記事がおすすめの人
・客室清掃員で働き始めた。
・大変な清掃を知っておきたい。
お客様の数だけ対処法がある
不特定多数のお客様がいらっしゃるビジネスホテル。
シーズンごとに稼働率は異なりますが、掃除が大変になるケースがあります。
その傾向は、部屋に入った瞬間に分かります。
キレイに使われているのと比べると、掃除の手間も時間もかかる…。
▼客室清掃で大変なことはこちらから。
どんな使われ方でも、新規ならリセット、連泊ならマニュアルの清掃は完了しなければなりません。
クレームを防ぐため、事例を知っておくと仕事が進めやすくなります。
きつくてもメンタルを保つ
対応がきつい部屋は、見た時にどうしても気持ちが落ち込むんですよね。
でも、時間は決まっていますし、仕事としっかり向き合う精神力がポイント。
体力も大切ですが、まず気持ちを下げ過ぎないようにしましょう。
ここで嫌々作業をすると、後に響きます。
メンタルが保てると、作業ペースも自然と上がるのです。
以下の記事にも載っているので、仕事を早く進める一歩を踏み出してみてくださいね。
滅多にないきつい対応
私が働き始めてから、そのビジネスホテルで起こった事例をまとめました。
初めて当たると焦りますが、慣れると心構えができるのできっと大丈夫ですよ。
「こんなこともあるんだ…」と参考程度にご覧ください。
自分のマットレスや掛布団を持ち込む
ビジネスホテルには、アメニティやリネン類のサービスがありつつ、私物を持ち込む人は多いです。
大荷物もあるあるなんですが、マットレスとタオルケットと毛布を使う人がいました。
ベッドメイキングも、それを使って行います。
元通りに敷き直すので、タオルケットの入れ込み位置などを覚えておいてください。
ベッドの仕上げ方はホテルごとに異なりますので、ざっくりお伝えしています。
3の工程は、掛布団が汚れにくくするために、シーツを間に入れ込むマニュアルのひとつです。
枕を持ち込む人もいますよ!
もし仕上げが難しい場合は、フロントに相談してみましょう。
通常と違う仕上げについて、戻ってきたお客様に伝えてもらえます。
貸出毛布をマットレス代わりに
ホテルのマットレスが硬いという理由で、数枚の毛布を敷いたケースです。
毛布を挟み込むだけのベッドメイキングは、そこまで大変ではありません。
注意したいのは、喫煙部屋かそうでないか。
禁煙と喫煙はしっかり分ける必要があります。
煙草のにおいがつくと、禁煙部屋の使用が難しい。
毛布に限らず、枕・掛布団も該当しますね。
また、回収するときに、毛布の重みと厚みでワゴンがすぐ埋まります。
バタつかないよう、早々にリネン庫に戻した方が良さそうです。
カーペットに嘔吐した
お酒に酔ってしまい、嘔吐した事例です。
感染症の疑いが無ければ、清掃に入ります。
客室清掃員が行うのは3までで、後はフロントに任せます。
私の職場では、カーペットの取り換えや脱臭機の取り扱いは、フロントの管轄になっているからです。
ここで使う脱臭機は、香水・食べ物のにおいが残る部屋でも用いられるアイテム。
効果はすごいのですが、機械の稼働中と、その後の換気中は部屋に入れない欠点があります。
時間に余裕を持たせるため、早仕上げの指示があるでしょう。
おもらしの対処も
尿や便を漏らした場合も、客室清掃員が掃除します。
フロントに報告してくれることもあれば、黙って退室するお客様がいるのです。
もし見つけたらフロントに報告し、状況によっては寝具を廃棄することもあるでしょう。
ベッドとユニットバス内に、そのまま便がされていることがありました…。
また、連泊で毎日おねしょをしてしまうがおむつは履きたくない・会社には内緒にしてほしい(経費で宿泊中)というお客様も。
対応に時間を要しますが、よっぽどでなければひとりで掃除します。
清掃後の消臭対応を含め、販売再開までとても手間がかかるケースです。
DDから早仕上げの指示
ドンディスカードがかかっている部屋には入りません。
しかし、在室のお客様から声をかけられ、掃除をすることになったパターンです。
以下の理由があってフロントに連絡した後、早仕上げ対応に変わりました。
- 大浴場で軽くシャワーを浴びてくる間に。
- 子供が部屋を汚したのでロビーで待つ間に。
お客様を待たせるわけにいかず、清掃ルーティーン関係なく仕上げに専念します。
終わったらフロントに連絡しますが、シャワーを浴びに行ったお客様は直接戻ってきてしまい…。
ロビーでお待ちいただくよう声をかけ、急いで作業を終わらせました。
午前中だったので別部屋の清掃もほぼ進んでおらず、いちからやる作業はちょっときつかったです。
大量の荷物を動かせない
お客様から、「荷物は絶対に触らず動かさないでほしい」と要望があったケースです。
通路が確保されていれば動線はできますが、ユニットバス清掃とベッドメイキングが大変でした。
ユニットバスは私物をぬらすリスク、ベッドメイキングはベッド自体の移動が必要です。
どちらもお荷物でいっぱいだったため、限られたスペースで清掃を行うことに。
シャワーの向きに気を付けながら、重いベッドを何度も少しずつ動かして、なんとか完了。
しかも早仕上げのお部屋だったので、メンタルが削られる出来事でした…!
困ったら先輩に相談
対処法が分からない・不安で相談したい・確認を取りたいなど、自分で判断しづらければ相談が一番です。
情報を共有した方が、アドバイスの幅が広がったり柔軟な対応ができたりします。
1人でできそうでなければ、正直に手助けを頼みましょう。
2人でやると、アドバイスをもらいながら早く済ませられます。
助けていただいた先輩へのお礼は忘れずに…!
同じフロアに誰もいなければ、フロントへ直通電話で相談OK。
必要なら客室清掃員のミーティングに挙がり、きちんとした対処法を話し合えますよ。
まとめ:きつい仕事と対応は経験でカバーできる
客室清掃員できつい出来事は、体力と精神どちらも関わってきます。
そのため、勤めて間もない人にその部屋をふられるのは、あまりないでしょう。
ただ、どのように対処したかを聞くことはできます。
今後の作業に役立つので、客室清掃員でもフロントでも、キッカケがあれば話を聞いてみてくださいね。