客室清掃員になると、急な欠勤だったりノルマが多かったりして、仕事が忙しくなるときがあります。
「いつもと同じ清掃では間に合わない…」そんな日でも対応できるよう、工夫が必要です。
丁寧さが第一でも、部屋数が多ければ手抜きが必要な時もあるんですね。
現役の客室清掃員の私が実践する、忙しい日の手抜きポイントをまとめました。
うまく作業に取り入れれば、時短&体力温存が可能です☆
この記事がおすすめの人
・客室清掃員に興味がある。
・繁忙期に備えて予習したい。
忙しい日は手間を省く
客室清掃員は、お客様のチェックアウトから清掃を始めて、チェックインまでに終わらせなければいけません。
ノルマをこなすと同時に、時間に追われています。
動きっぱなしなことと、常に時間を気にしなければならないイメージが多いでしょう。
▼客室清掃員の仕事内容はこちら
前提として、客室清掃は早さより丁寧さが大切。
人手や部屋数が落ち着いている日は、しっかり清掃に勤めることができます。
しかし、忙しい日は同じ時間をかけられないときも…。
その場合は手間を省き、時短で仕上げるのがコツです。
ぞんざいな清掃はNG
手抜きとは、”すべき手数を省くこと”です。
一方ぞんざいは、「扱い方が丁寧ではなく、なげやりなこと」を言います。
つまり、清掃すべきところを放置し、汚れを蓄積させることではありません。
▼客室清掃で手抜きをしてはいけない部分はこちら。
また、あるべきものがない(補充忘れ)こともクレームに繋がります。
急ごうと思うと無駄な動きをしたり、焦って忘れやすかったりするもの。
そこは手を抜き、ほどよく・目的に当てはまる仕上げを意識しましょう。
客室清掃の手抜きポイント
客室清掃の手抜きは、頭を使う・時間がかかる部分に注目します。
手抜きは時間が短縮できるので、時間を取られる作業向きです。
ちょっとしたことですが、身に着けると大幅な時間削減になりますよ。
トイレの三角折りは同じ折り方で
清掃した印として、トイレットペーパーを三角折りにします。
その時、ドア側から見て、キレイに見える折り方を教えられますよね。
これが、地味に時間を取られる場所です…!
さて、客室は廊下を挟んで左右に並んでおり、室内も左右反転しています。
同じ折り方でも、見え方が違ってくるんですね。
同じ折り方ですが、見える位置が違うとだらしない印象に。
でも、忙しいときは向きなどを考えず、三角に折っちゃいましょう。
隙間が目立たないよう調節すれば大丈夫です。
また、連泊のお客様で「三角折りはしないでほしい」とメモを残される方がいます。
触らなくていいので、折らないようご注意を…!
見えない側のシーツはざっくり整える
ベッドはお客様がお休みになる場所、特にキレイさを意識します。
ただ、体力消耗&時間がかかるため、手抜き部分はパパっと仕上げ。
ベッドは、壁側にくっついているパターンがほとんどです。
壁につける側はお客様から見えず、シーツがずれさえしなければ問題ありません。
上の画像は、ベッドの枕元を壁側から見た画像。
こんなにシワがあっても、壁に寄せるので全く見えなくなります。
シーツをキレイに折りたたむ必要はなく、まとめてベッド下に入れ込んでください。
お客様から見える枕元は、シーツの三角折りを。
入れ込んだシーツが見える掛布団サイズもありますので、適材適所で使いましょう。
▼シーツの三角折りについてはこちら
DD(ドンディス)連絡は客室から
部屋を掃除しないでください・起こさないでくださいの意思表示をする札を、ドンディスカードと言います。
これがあれば清掃不要ですが、ビジネスホテルごとに事情があるため、確認するのも仕事のひとつ。
ドンディスカードがあってもなくても、決まった時間にフロントへ連絡します。
電話の位置は、フロアの廊下に直通電話があります。
ところが、掃除している部屋によっては遠いんです。
体感的には、50m走をやるイメージ…。
行き来するのが大変な時は、近い空室から電話をかけてください。
フロントはお客様からの電話だと思うので、最初に「ハウスの○○です」と伝えます。
フロントから連絡が入る時は直通電話からですが、なるべく作業の流れを損なわない方法です。
トイレは掃除前の客室でOK
客室にトイレがあるため、フロアにトイレはありません。
従業員専用のトイレは1階…そこへ行くには時間がかかります。
そのため、掃除中トイレに行きたくなったら、掃除する前の客室で済ませてOKです。
我慢すると体に悪いですし、自然と水分をセーブするようになって、脱水のリスクが上がります。
トイレは一息つけるので、我慢は禁物!
トイレを済ませたら、いつも通りユニットバスの掃除をしてくださいね。
客室のものを使って大丈夫?
お客様が使う物を、客室清掃員が使っていいのか気になりますよね。
職場に確認する必要がありますが、使ってもほぼ問題ないでしょう。
逆に、故障や破損を見つけやすくなるのです。
気を付けることとすれば、連泊部屋は避けること。
お客様の私物があるので、万一のことがあっては大変です。
客室のものを使う時は、荷物が無い新規部屋にしてください。
シャンプー類の補充は残量次第
アメニティが使われていたらすぐ補充しますが、シャンプー・リンス・ボディーソープはあまり減りません。
ハンドソープは、感染対策の影響なのか減りやすくなっています。
これらの目安量は決まっていますので、”補充するかどうか”のラインだったら、そのままにしておきましょう。
インスペで指摘されたら、次回から十分注意してください。
明らかに目安量より減っていたり、半分以上使われていたりすれば補充する。
少ないまま放置すると、クレームの可能性がありますし、次の清掃担当に負担がかかるからです。
ちなみに、現場仕事の方が泊まると、ボディーソープとシャンプーの減りも早くなります。
自分が持っている補充ボトルが空にならないよう、大きめサイズにするといいですね。
500mlのペットボトルにシャンプー類を入れ、継ぎ足しが不足しないようにする清掃員もいます。
マニュアルを再確認
ビジネスホテルごとにマニュアルがあり、客室清掃員はその通りに清掃を進めます。
しかし、ベテランがいるホテルなどで、よかれと思ってマニュアル外の作業を増やしていませんか?
私の勤めるビジネスホテルも、清掃員同士で広まった作業があります。
例えば、エコ部屋で増えていた作業の一部がこちら。
- スリッパをそろえる。
- 洗面台の水滴を拭き取る。
- トイレットペーパーの三角折り。
これらは清掃員が考えた作業で、マニュアル的には不要だったものです。
小さなことでも、積み重なるとかかる時間も増えるんですね。
清掃員に相談すると「昔からやっているから…」「お客様のために…」と返され、モヤモヤが残ることも。
モヤる質問はフロント(社員)か、清掃員のミーティングなどで相談してみましょう。
持ち物を減らす
客室清掃員は、洗剤・ブラシの持ち物が多いです。
また、ハンドクリームやタオルといった私物を入れるマイバッグも持ち歩いています。
▼客室清掃員の持ち物はこちら。
通常清掃の他に、スポット清掃があると掃除用具が増えやすいです。
通常清掃では使わない、汚れ専用の洗剤・柄の長いモップ・2度拭き不要なマイペットなど…。
ここで挙げたのは一部なので、そろうとなかなかの重さです。
それらすべてを毎回持ち歩いていると、管理が大変なんですね。
ふと掃除用具入れごと倒したり、物を取り出しにくくなったりして、イライラの原因にもなります。
朝に指示書を確認したら、その日使うだけの用具を持ち歩きましょう。
使わないものは、自分のロッカーにしまえば大丈夫ですよ。
スポット清掃を詳しく知りたい人は、以下の記事をご一読ください。
汚れは熱湯で予洗い
水回りの掃除を手早くするには、熱湯が効果的です。
歯磨き粉・シャンプー類の飛び散り、トイレの汚れなど、熱湯のシャワーをかければほとんど落とせます。
また、水回りだけでなく、エアコンのフィルターや換気扇の蓋も、同じ方法が使えます。
掃除機で吸ったりブラシでこするのは大変ですが、熱湯のシャワーでホコリを流せばキレイになりますよ。
残った汚れは、ブラシでこするだけで落ちるものもあり、洗剤が必要でも楽に仕上げられます。
火傷予防のため、必ずゴム手袋を付けましょう。
▼清掃を早く仕上げるコツはこちら。
ぬめりはハイターをかける
水回りのぬめりは、泡ハイターからのほったらかしで手軽に済ませられます。
排水溝のぬめりは手袋ごしでも触りにくいですし、細かいパーツを何度もこするのは避けたいですよね。
まず排水溝に髪の毛などのゴミがないか確認し、後は泡ハイターで放置するだけ。
簡単な手順で済みますよ。
ハイターは強力なので、すすぎ残しや使用量を間違えないようお気を付けください。
指紋や乾いた水滴にはマイクロファイバークロス
マイクロファイバークロスは、汚れを落としたりホコリを吸着したりする効果があります。
壁スイッチの指紋・机上の乾いた水滴・鏡のくもりなど、簡単に落とせるのです。
ポイントは、クロスを少しぬらしてから拭き上げること。
拭いた部分に水気が残ったら、ウエスで乾拭きすればきれいになりますよ。
こびりついた汚れは、少し力を入れて拭き上げる。
ウエスと使い分けるのがいいですね。
まとめ:うまい手抜きで客室清掃のノルマをこなそう
客室清掃は、ホテルの稼働や人手によっては忙しい日が出てきます。
仕事に慣れればすんなり動けますが、経験が浅いうちは不安になっちゃいますよね。
手を抜けるポイントを押さえれば、ノルマをこなす他に、怪我予防や体力温存に役立ちます。
客室清掃は、相性が合えばやりがいのある立派な仕事です♪
休憩時間がほぼないからこそ、頑張り過ぎないようセーブしながらやってみてくださいね。